1970年代に開発されて以来、その完成度はまだ不十分であった為、裏側矯正(舌側矯正)の治療法が確立せず、効率性が悪いなどの理由により普及していませんでした。
しかし、現在ではこのような裏側矯正で使用される装置が改良・改善され、90年代からは日本のみならず他のアジア・ヨーロッパにおいて急激に増加しています。
裏側矯正は審美的な矯正歯科治療法として、表面上見えないという最大の利点を得る反面、舌の痛みや話すときと噛むときの障害、舌側の歯肉炎といった不快な制約があり、表側に矯正歯科装置を装着する治療に比べ、治療期間や毎回の治療時間が長く、治療費が高い、といった不満がありました。
このような問題点を改善し、患者様にとって快適な治療が可能となるよう開発された裏側矯正法が裏側ストレートワイヤーシステムなのです。
裏側ストレートワイヤーシステムは、「快適で、速く、確実な治療システム」を実現するために、イタリアの矯正医Dr スクッゾ と竹元京人先生 (E-LINE 矯正歯科、東京) が共同で考案、開発した裏側矯正装置です。
STb 裏側ストレートワイヤーシステムは、今迄の裏側からの矯正治療における弊害ともいうべき制約を大幅に改善し、まったく新しい快適な裏側矯正(舌側矯正)装置として誕生しました。
従来の裏側装置と比較して次のような特徴があります。
- 薄くて小さく、全体的に丸みを帯びたデザインになったことにより、患者様の舌感が良好に改善されました。
ブラケット間隔が広がることにより、ワイヤーの弾性を効果的に利用できるので、弱い力(Light force)を持続的に作用させ痛みや骨吸収を最小限に抑えられます。その為、効率よく歯を移動でき治療期間の短縮につながります。
- 装置が小さいことにより、噛みにくい・話しにくいなどの不快感が解消しました。また、舌側歯肉と装置との間隔(ブラッシングポイント)が広がり歯磨きがし易くなるなど、口腔衛生の管理も向上しています。
裏側矯正ストレートワイヤーシステムは、患者様に快適な裏側矯正治療を提供するために3つのコンセプトを基に開発されました。
- 違和感の少ない治療を提供 comfortable
- 丸くて小さく、そして薄い装置ですので、裏側矯正にありがちな発音障害、咀嚼障害が最小限に抑えられます。ブラケットの厚さは約1.5㎜と 非常に薄く、歯面に密着しているためブラケットが外れることはほとんどありません。小さく丸いデザインは口腔内での自浄作用にも効果的で、舌側歯ぐきとブラケット間や、ブラケットごとの間隔が広いことからも歯磨きしやすく、汚れや歯石がたまりにくいので衛生管理が簡単になりました。
- より速く faster
- 裏側ストレートワイヤーシステムはサイズが小さくなったことから装置と装置の間の距離が広くなり、ワイヤーの弾性を効果的に利用することが出来ます。弱い力で歯の移動が速くできるので、治療期間が短くなります。
- 信頼の装置 reliable
- 現在の裏側矯正は、開発者が改良を重ね臨床応用し、患者様からも評価を得た装置です。短期間に3次元的な歯のコントロールを確実に行えます。歯や歯周組織に必要以上の負担がかからず(生物学的に無理がありません)、人間本来の持つ機能を有効に利用して移動するので、安心と信頼をいただいています。